転職サイト「ビズリーチ」は、年収750万円以上のビズリーチ会員が2023年に同サービス上で検索したキーワードを集計し、上位30ワードを発表しました。
ビジネスパーソンがどのようなキーワードで求人検索をしているかを知ることで、転職希望者の関心やニーズの高い業種・業界の特徴が見えてきます。
1位に輝いたのは「副業」。続いて2位には「フルリモート」が入りました。コロナ禍が一段落し、新しい働き方が急速に注目を集めていることがうかがえます。3位は「スポーツ」でした。
また、20、30代の若手層を中心に外資系企業や商社、コンサルティング関連の求人が多く検索されたほか、「海外求人」や「半導体」関連も大きく順位を上げました。
それでは詳しく見てみましょう。
即戦力となる人材と企業とをつなぐ転職サイト「ビズリーチ」を運営するビズリーチは、年収750万円以上の会員が23年1〜12月の期間に検索したキーワードを集計し、「2023求人検索キーワードトップ30」として発表しました。
上位ワードで注目されるのは、海外に関するキーワードが多く含まれている点です。4位「海外」、5位「英語」、17位「駐在」、27位「中国語」と語学関係が30位以内に複数ランクインしました。さらに、圏外では「海外勤務」が前年の84位から51位に大幅に順位を上げています。
同社は「海外勤務に対する関心がコロナ禍前と変わらない水準まで戻ってきている」とみています。ポジション名に「海外赴任」「駐在」「海外赴任」など関連するキーワードを含む「海外求人」も増加傾向にあり、同社によると求人数は3年前と比べ2.6倍に。今後も同様の動きが続くことが予想されます。
一方、働き方の自由に関しても注目が集まっています。1位「副業」、2位「フルリモート」と上位に連続して新しい働き方に関するキーワードがランクインしました。コロナ禍を経て関心が高まっていることが分かります。
年代別に見ると、20、30代と40代以上で検索するキーワードの特徴が大きく分かれる結果となりました。
若手ハイクラス層の検索上位には、7位「外資」、8位「商社」、10位「総合商社」、12位「外資系」、19位「コンサル」など、年収の高いイメージがあるワードが入りました。中でも「商社」は前年の20位から順位を12上げてトップ10入りし、「総合商社」は前年の21位から11上げて10位に順位を上げました。
ここ数年商社が中途採用を強化していることから、商社に関連するキーワードを検索する人が増えたとみられます。一方、「コンサル」もDX需要の増加を背景に、ITコンサルタント企業が積極的な中途採用を行っていることから、前年の37位から大幅に順位を伸ばしました。
40代以上のビジネスパーソンは、6位「大学」、14位「教育」、21位「農業」、28位「医療」などに関心を寄せているようです。これらは、検索者全体の6割以上を40代以上が占めたキーワード。同社が実施した別の調査では、年齢が上がるほど、働くことに対して自身のスキルや経験を周囲に還元する傾向が高まることが分かっています。
したがって、求人検索においても、国内外で多様な経験を積んだビジネスパーソンを中心に、社会貢献志向を軸に教育機関を通じた若い世代への還元や、社会貢献性の高い一次産業や医療などに興味・関心を持っていると考えられます。
業界に注目して上位ワードを見ると、9位に「不動産」、22位に「自動車」、24位に「銀行」、26位に「食品」がランクインしました。同社によると、これらのキーワードはその業界に属している会員による検索が多い傾向があったことから「業界内における人材の流動性が高まっている」とみています。これは転職者の増加に比例した結果と言えそうです。
上位30位からはもれましたが、34位には「半導体」が入り、前年の59位から29も順位を上げました。次世代半導体の国産化を目指す企業の動きや、世界最大の半導体製造会社による新工場建設など、半導体に関するニュースを目にする機会が増えたことから、職種を問わず検索対象になったと推測されます。
（文：髙栁綾、編集：竹本拓也、タイトルバナー：Peach_iStock / GettyImages）
