ビジネスパーソンを対象にした「2024年転職条件の実態調査が2月26日に発表され、20代の7割が「給料」よりも「働き方」を優先していることが分かりました。
また、キャリアアップには副業よりも転職が必要だと感じているビジネスパーソンは8割という結果に。転職先の環境では「ゆるく働けること」を重視する傾向が明らかになりました。
「ゆるすぎる」労働環境を敬遠し、厳しさを求めて転職する人がいる一方で、転職先ではワークライフバランスの面で働きやすさを求める声も上がっています。
ビジネスパーソンを対象にした「2024年転職条件の実態調査が2月26日に発表され、20代の7割が「給料」よりも「働き方」を優先していることが分かりました。
また、キャリアアップには副業よりも転職が必要だと感じているビジネスパーソンは8割という結果に。転職先の環境では「ゆるく働けること」を重視する傾向が明らかになりました。
「ゆるすぎる」労働環境を敬遠し、厳しさを求めて転職する人がいる一方で、転職先ではワークライフバランスの面で働きやすさを求める声も上がっています。
調査は今年2月、転職や就活に関するリサーチをしている「Job総研」が実施。20〜50代の社会人男女603人から回答を得ました。
転職先を決める際、働き方と給料どちらを優先するかを問うと、「働き方を優先」と答えた人は65.8%でした。その中でも「断然働き方」が15.4%、「働き方」は19.4%、「どちらかといえば働き方」は31.0%で、「働き方」を優先する声が過半数を占める結果になりました。
年代別では、20代は働き方を優先する人が最も多く71.1%でした。次いで40代が70.3%、30代が62.3%、50代が58.6%と続きました。
キャリアが企業風土に左右されるかという問いに対しては「左右されると思う」と答える人が83.6%で最多になりました。
「左右される」と回答した504人にその理由を聞いたところ、52.0%が「会社の厳しさやゆるさは自分で変えられない」と回答しました。次いで「成⻑へのサポート体制が会社によって異なる」が46.6%、「職務やプロジェクトへの参加機会が会社ごとに異なる」が44.2%になりました。
自分の挑戦を応援してもらえる風土があるかどうかが、自己成長の速度や度合いに影響すると考えている人が多いことが分かります。
キャリアアップのために転職が必要かを質問したところ、「必要だと思う派」が 81.7%を占めました。
転職する際に求める企業風土については、「ゆるさを求める派」が86.7%でした。
年代別では「ゆるさを求める派」は40代が89.6%で最多に。次いで20代が89.0%、最小は50代の77.8%という結果になりました。また、転職の回数別では「5回以上」が最多で、全体の93.0%がゆるさを求めていることが分かりました。
転職先にゆるさを求めると回答した523人にその理由を聞くと、「プレッシャーやストレスが軽減される」が 65.1%で最多となり、次いで「ワークライフバランスが確保できる」が 61.9%でした。また41.5%が 「転職時に必ずしも給料が上がるわけではない」と答えました。
自由記述コメントでは、「転職を何回かしてみて給料への期待は下がった。だから働き方を優先して自分に使う時間を作りたい」「過去転職で事前に伝えられた給与水準にならなかった。であればゆるく働く方がメンタル的にも良い」などの声が上がりました。
給与が思うように上がらなかった過去の経験から、ゆるさを重視するようになった人が多いようです。
一方、厳しさを求めると回答した80人は、「報酬とキャリアアップの可能性がある」が 46.4%で最多となり、次いで「高い目標に挑戦できると思う」が40.9%、「常にレベルアップを意識できる」が35.5%と、厳しい労働環境に見合った高い報酬とスキルアップを求める人が多いことが分かりました。
今回の調査では、ゆるさや厳しさの定義についても問いました。ゆるさのトップ3は「出退勤時間・働き方が自由」「服装や髪型などの自由度がある」「ワークライフバランスが保たれている」となった一方で、厳しさのトップ3は「失敗への厳しい対応や批判がある」「業務への高い要求とプレッシャーがある」「強い成果主義がある」という結果でした。
Job総研室長の堀雅一氏は以下のようにコメントしています。
働き方を優先する思考が20 代で高まる中、厳しさよりも「ゆるさを求める派」は 40代が最多であるものの、50代が最少であることから、昭和の働き方を経験した世代でも、転職時の企業風土の理想が異なることがわかりました。
「いかにストレスフリーな環境で仕事をしながら、プライベートの時間を確保するか」を重視する社会人が多いことを踏まえると、今後社会人が定義する「厳しさ」の要素を持つ企業への転職者が減少していく可能性も考えられます。
(文:髙栁綾、編集:比嘉太一、タイトルバナー:maroke / GettyImages)