仕事の悲喜こもごもや世相をユーモアにうたう「Job川柳」の入賞作が1月15日、発表されました。
「物価高騰」や「生成AI」といった昨年の社会情勢を反映する一方、「給与アップ」や「転職」、「テレワーク」といった働くキーワードもずらり。
ビジネスパーソンの本音が垣間見える入賞7作品を紹介します。
仕事の悲喜こもごもや世相をユーモアにうたう「Job川柳」の入賞作が1月15日、発表されました。
「物価高騰」や「生成AI」といった昨年の社会情勢を反映する一方、「給与アップ」や「転職」、「テレワーク」といった働くキーワードもずらり。
ビジネスパーソンの本音が垣間見える入賞7作品を紹介します。
「Jpb川柳」は就職や転職に関する研究や調査を実施するJob総研が開催し、今年で2回目。2023年12月13日〜18日、20〜50代のビジネスパーソンから324作品の応募がありました。
今回の川柳のテーマは「2024年の理想の働き方」。
昨年はコロナ禍を経て出社回帰の動きがあったり、実質賃金が物価高に追いつかなかったり。こうした社会情勢やキーワードが、数多くの応募作品に反映されました。
最優秀大賞に選ばれた作品「賃上げ 俺の給与と お小遣い」は、「賃上げ」に喜ぶ様子が目に浮かぶ一句でした。
昨年は、ユニクロやGUを展開するファーストリテイリングが賃上げを10年間で10兆円を目指すと公言したり、政府も大企業を中心に賃上げを求めたりと、「賃金アップ」(ベア)が何かと話題になりました。
Job総研は、受賞理由を次のように解説しています。
「応募作品の中でも特に経済・社会面双方で2023年の社会人の心情を象徴していました。『お小遣い』のキーワードにより、昨年の物価高で私生活が圧迫されている社会人の生活及び経済状態がうかがえただけでなく、賃上げに奮闘する様子を映す"賃上げだ"や"給与"が使われていたため、今年の意気込みを感じさせる句として高評価でした」
経済部門では「年収」や「賃金」「給与」をテーマにした句が選ばれました。
生活への影響が大きい「物価高」を織り込みつつ、「『追いつき追い越せ』や『上げてやる』のフレーズにより、物価高に実質賃金が追いつかない状況にも屈しない社会人の様子がうかがえ、日本経済を鼓舞させる2024年の日本社会を明るい方向に導くような句だった」。
銅賞については「自らの意思・自らの力で新しい環境でチャレンジする情景が強く想像できる作品だった」と評価しました。
社会部門の受賞作には「生成AI」や「週休3日」、「出社回帰」のキーワードが入っています。
AIの活用がChatGPTの認知度アップを皮切りに広がった1年間。金賞「任せたい 社内政治も AIに」は、「社内政治」という人間臭い職場のパワーバランスに、ナイスアイデアを求めたい心情がウィットたっぷりに詠まれました。
銀賞「月火水 木金土日 日日日」にJob総研は「休むことへの罪悪感は一定あるものの、連休を取りプライベートも大切にした多様な働き方を望む心情が現れる、共感や社会性を兼ね備えたユーモアあふれる作品だった」としています。
銅賞の「出社メイン スリムになれよ 勤務体系」はアフターコロナを象徴する事象として選出。「リモート時代に形成された『肉体』の体型と『勤務』の体系を掛けており、2024年の理想を描写する様子が共感を呼ぶ作品だった」と評価しています。
Job総研で川柳を担当した広報部の高木理子さんは次のように総括しました。
受賞作品は共通して、2023年に起きた社会的な変化を想起する語句が含まれており、多くの社会人の共感を呼ぶと同時に「経済」「社会」の観点から2024年に社会人が思い描く理想が詰まった作品でした。
コロナ禍が明けて、働くことや生活に関する環境や価値観が大きく変わった中、これまでの“当たり前“が覆され実生活に影響を受けた方も多く存在したと考えられます。
(文:比嘉太一、デザイン:高木菜々子、編集・比嘉太一、野上英文)