社会人を対象にした「新年会意識調査」の結果が発表されました。
コロナ禍を抜けて4年ぶりに活気を取り戻した忘年会に続き、2024年に企画されている新年会。ただ、「参加したくない」と答えるビジネスパーソンが6割を超えました。特にZ世代やゆとり世代の20代、30代が参加に消極的な結果に。
新年会などの飲み会は、コミュニケーションの機会になる一方、参加したくない派の理由には経済的な負担や年末の飲み疲れが背景にあります。
社会人を対象にした「新年会意識調査」の結果が発表されました。
コロナ禍を抜けて4年ぶりに活気を取り戻した忘年会に続き、2024年に企画されている新年会。ただ、「参加したくない」と答えるビジネスパーソンが6割を超えました。特にZ世代やゆとり世代の20代、30代が参加に消極的な結果に。
新年会などの飲み会は、コミュニケーションの機会になる一方、参加したくない派の理由には経済的な負担や年末の飲み疲れが背景にあります。
「コロナ禍の宴会控えからの反動でしょうか。今年は連日、連夜、夜遅くまでクライアントさんと飲み会です。正直、ヘトヘトで新年会も続くかと思うとしんどいところはあります」
制作会社の女性社員は15日朝、ややかすれた声で取材に話しました。前夜の忘年会を終えたのは深夜の日付が変わるころ。その合間にも別の取引先とショートメッセージで年の瀬の駆け込みの商談を進めており、「年内は仕事納めまで忘年会の予定で埋まっています」と打ち明けました。
飲み屋街が活気を取り戻す中、就職や転職に関する研究や調査を実施するJob総研は12月15日までに「新年会の意識調査」を発表しました。2023年11月22日〜11月27日に実施され、社会人20代〜50代の559人から回答を得ました。
新年会の参加意欲に関して、「参加したくない」が全体で57.4%と6割近い結果に。また、年齢別に調査結果をみると、30代が63.0%で、最も参加意欲が低く、20代は55.9%で、若い世代を中心に「参加したくない」という回答が多くなりました。
参加したくない理由としては、1位が「特に必要性を感じない」で48.4%。そして、2位には「経済的負担」、3位は「プライベートを優先したい」が挙げられました。
忘年会に参加し、1ヶ月も経たないうちに新年会があることで、経済的な負担や短期間に何度も飲み会をする必要があるのかと疑問に思う人が多いようです。
また、何度も飲み会に参加し、飲み疲れを挙げる人もみられました。
今後の職場新年会実施や新年会文化の必要性に関して、「必要ない」と「実施に反対」の回答が約6割と過半数を超える結果にとなりました。
アフターコロナで変化している飲み会のあり方。
Job総研室長の堀雅一さんはコメントで「新年会そのものの必要性が失われている傾向が読み取れます」と強調しています。
堀室長:「コロナが流行した2020年から新年会の実施率が激減し、今後の必要性が問われていた近年でしたが、その実施率も参加意欲も、今後の新年会文化への賛否においても回復が見られず減退の傾向が見られたます」
「今後は新年会を実施する企業が減少していくとともに、文化自体も衰退していくことが予測できます」
「忘年会と新年会の両開催ではなくどちらか一方の開催にするなど、コロナ後の価値観とともに、シーズンごとの飲み会のあり方を変化させていく必要性も考えられます」
参加意欲が低くなっている「新年会」。会社組織のエンゲージメントを高めるためにも、開催の有無を検討する必要性があるのかもしれません。
(文:中井舞乃、編集:比嘉太一、野上英文、バナータイトル:taka4332 / GettyImages)