25年卒「内々定3社から」の学生も。就活解禁まで3カ月

2023年12月9日(土)

採用直結インターン 前年を上回る内定率

就職情報サイトなどを運営する「学情」が12月8日に調査結果を発表しました。

調査は11月に実施。2025年3月に卒業予定の大学生・大学院生386人から回答を得ました。

2025年卒の内々定率(11月末段階)は「11.8%」という結果に。前年同時期の「8.7%」を3.1ポイント上回る結果となりました。

出所:学情の調査より

文理別では、それぞれ文系が11.9%、理系が11.6%と並んでいますが、文系の伸びが目立ちます。

内々定を獲得した学生の内々定数は、ほとんどが1社。ただ、なかには2社からが14.9%(前年同時期13.5%)、また前年調査では0%だった「3社から内定」の学生も5.1%に上ります。

人手不足で学生優位の「売り手市場」であることに加えて、25年卒から採用直結型インターンシップが解禁されたことが影響しています。

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IT ・ソフトウェア・ネット業界がトップ

内々定を出した企業の業種では、「IT ・ソフトウェア・インターネット」が29.2%でトップ。「教育・福祉・その他サービス」(19.4%)、「建設・住宅関連」(15.8%)が続き、人手不足が深刻といわれる業界が上位に並びました。

例年、出足が早い「情報・調査・コンサルティング」は4位でした。

従業員規模では、「5000人以上」が32.0%で最多です。

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就活解禁は来年3月1日。実質は夏からスタート

オープン・カンパニー(企業や大学のキャリアセンター、就職情報サイトが主催するイベントや説明会)に参加した企業の早期選考に参加して、そのまま内々定を得たケースが増えているとみられます。

インターンやオープン・カンパニーに「10以上参加した」と答えた学生が40.9%と最も多く、前年同月と比べて7.1ポイント増加しました。

出所:学情の調査より

また、学生がそうした具体的な就活の行動を起こした時期は、2023年8月、7月、6月の順で計「63.0%」を占め、それ以前と合わせると9割を超えています。

いわゆる「就活解禁」は来年3月1日ですが、「夏のインターンシップには就活スタート」がスタンダードになっています。

(文・比嘉太一、編集・野上英文、バナータイトル・kazuma seiki/GettyImages)