ボーナス年平均107.1万円 3位に「基礎研究職」1位は?

ボーナス年平均107.1万円 3位に「基礎研究職」1位は?

    1万5千人を対象にした「ボーナス平均支給額の実態調査」が7日、発表されました。

    ボーナスの平均支給額はアップ傾向にあり、ボーナスが増えた人も昨年より多い結果となりました。また職種別に見ると、前回は4位だった“ものづくり系のエンジニア”からある職が174.8万円と最も多いことがわかりました。

    3位には「基礎研究」もランクイン。このほかIoTやAIといった先端技術とかかわる職種が上位を占めています。

    目次

    賃上げで平均2万円上昇、平均107.1万円

    調査は、パーソルキャリアが運営する転職サービスdodaが、20代から50代の社会人1万5,000名を対象に実施しました。

    「ボーナスがある」と回答した人の平均支給額は、前回調査時の105.1万円から約2万円アップした107.1万円でした。

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    年代別の1年間のボーナス平均支給額(doda)

    また、今回のボーナスについて前年度のボーナスと比較した際の支給額は、「増えた」が34.0%で、「減った」の20.7%を上回りました。40代、50代は1年間の平均支給額が100万を超える結果となりました。

    これについて、dodaは「物価上昇による賃上げの実施が、ボーナスに一定の影響を与えている」と分析しています。

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    Yusuke Ide / GettyImages

    トップ30の半数が「エンジニア系職種」

    職種別に見ると、1年間のボーナス支給額の1位は「製品企画職」。前回は4位だったのが、前年比7万円増の174.8万円となりました。また、3位にランクインした新しい技術や仕組みを研究する「基礎研究」も前回の6位から順位を上げました。

    dodaは「IoTやAIといった先端技術の研究が進んでいるため、新製品を考える『製品企画職』や研究職の市場ニーズが高まっているのが要因ではないか」と回答しています。

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    職種別ボーナスランキング1〜10位(doda)

    また、7位に「研究開発」、8位にAIや自動運転との関わりが深い「組み込みエンジニア」がランクインし、ボーナス平均支給額のトップ30のうち、15職種がエンジニア系職種となりました。

    これから市場ニーズが高まるAIやエンジニア職への期待から、支給額が高まっています。

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    gorodenkoff / GettyImages

    「給与・昇給」が転職理由の一つに

    調査を開始した2021年からこれまで、全体のボーナス支給額は上昇を続けており、2023年度に賃上げを実施した企業は、過去最大の84.8%となっています。このことから、賃上げを実施する企業の増加がボーナスの支給額増加の要因になっていると考えられます。

    doda編集部委員長の加賀美祐介さんは、今回の調査結果を受けて、ボーナスが企業に将来性があるかどうかの判断指標になるといいます。

    「ボーナスを含めた『給与・昇給』は、その企業が自分の頑張りに報いてくれるかどうか、さらには企業に将来性があるかどうかを判断するパラメータとして見られることも多く、転職理由の大きな要因の一つとなります」と話しました。

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    職種別ボーナスランキング11〜20位(doda)

    「2022年度転職理由ランキング」では、「給与・昇給への不満」が転職理由の1位となり、賃上げに関する調査では、4割近くが「希望する賃上げが叶わない場合は転職を検討する」と回答しています。

    賃上げを実施する企業が増えている中でも、給与が上がらない企業もあれば、市場ニーズが高まり大きく増額する企業もあります。「給与・昇給」は、企業を見る大きな指標になりそうです。

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    職種別ボーナスランキング21〜30位(doda)

    (文:髙栁綾、中井舞乃、編集:筒井智子、野上英文、バナー写真:takasuu/GettyImages)