「ビジネス」と「星読み」。いっけん食べ合わせが悪そうですが、実はそんなことはない……どころか相性抜群なんだとか!? 星読み係・yujiさんに今ビジネスパーソンが「星読み」を学び、取り入れるメリットを聞きました。
「ビジネス」と「星読み」。いっけん食べ合わせが悪そうですが、実はそんなことはない……どころか相性抜群なんだとか!? 星読み係・yujiさんに今ビジネスパーソンが「星読み」を学び、取り入れるメリットを聞きました。
「占いという言葉に“アレルギー”がある人も多いですが、食わず嫌いはもったいない! ビジネスの世界で活躍したい人こそ、ぜひ活用してほしいです」
JobPicksでの連載「風の時代のタクト」が大好評の星読み係・yujiさんは、ビジネスパーソン向けの情報発信を精力的におこなっている業界でも異色の存在です。
「働く人々」にあえてフォーカスしているのはなぜ? ビジネスパーソンを対象にした初のイベントを開催した背景を聞きました。
──今、ビジネスパーソンが星読みを学ぶ意義をどう考えていますか?
例えるなら、天気予報のように活用してほしいんです。
「明日寒そうだからいつもより厚着しよう」とか「夜は雨が降りそうだから傘を持たなきゃ」とかみなさん日々自然にしているじゃないですか。そんなふうに「運気予報」も取り入れてみませんか? という提案です。
星読み──つまり西洋占星術は、星の動きから時節や時流を読む技術です。ただ僕が当てずっぽうで言っているわけではなくて(笑)、長い年月の中で培ったビッグデータの蓄積をもとに「なんらかの現象が発生しやすくなるタイミング」を言語化したものなんですよね。
ある程度“未来予測”ができれば、一人の社会人としてどう動けばいいのかに生かせますし、起業のタイミングや商品のローンチ時期などを考えるのにも役立ちます。
──なるほど、天気予報ならぬ「運気予報」という考え方はおもしろいですね。
もうすぐ大嵐になることがわかっていて、船を出す船長はいないですよね。
同じように「今起業すると嵐に巻き込まれるリスクが高いよ」なのか「しばらく追い風だから遠くまで行けるよ」なのかがわかるとビジネス的にも“出航”しやすいと思うんです。天気予報のビジネス版としてぜひ星読みを活用してほしいと思っています。
もうひとつ、星のいいところは、自分が潜在的にどんな才能や特性を持っているのかわかるところです。
強みを診断するツールは「ストレングスファインダー」をはじめさまざまありますが、結局のところ自分が認知しているものしか数値化できないですよね。
むしろ、自分では当たり前すぎて見過ごしているもの、強みだとすら認識していないものが他人と比較したら価値なのかもしれない。その「自分でも知らない」美点を教えてくれるのが占星術のいいところだと思います。
「彼を知り 己を知れば 百戦殆(あやう)からず」なんて孫子の言葉もありますが、そもそもほとんどの人が「己」すらちゃんと知らない。星読みで自分を客観的に捉えることは「百戦」の助けになると思います。
グローバル化やデジタル化が進み、キャリアも多様になっている今、敷かれたレールを走っていけば安心、大企業に入れば安泰な単純な時代でもありません。
みんなで同じ大きな船に乗るのではなく、時流を読んだうえで、個々人が自分の特性を生かせる方向にオールを漕いでいく。それが、これからを生き抜く基本リテラシーになっていくんじゃないかと僕は考えています。
──ちょっと意地悪な質問かもしれませんが……星の位置は生年月日で決まるんですよね。それって生まれ持った運命は変えられないということなんでしょうか?
そこは結構難しいところで、生まれた時点で人生の方向性はある程度は絞られているとも言えます。
でも、これは「運命は変えられない」というネガティブな要素よりは「相対的に向いている領域がある」感覚ですね。「人に接するのが得意だから、接客業や医療従事者が雰囲気に合っている」とか「発想力があるからそれを生かした職種がおすすめ」とか。
その道しか選べないわけではないですが、人によって向き不向き、適職のエリアはあって、それを生かす方が活躍しやすい、“天職”になる可能性がより高い、ということです。
自分だけでなく周りの人にもそれぞれ生まれ持った星はあるので、お互い特性をわかっていると協働しやすいですよね。
──数ある「強み診断」のひとつとして、同僚との向き合い方やチームビルディングの参考にしてみる、と思うと取り入れやすいかもしれないですね。
そうですね、RPGでいうと「パーティ」を作る感覚でしょうか。ビジネスでも、レベル99まで極めて一人で大魔王を倒すより、レベル40~50くらいの仲間を集めて一緒に倒したほうが楽なはず。それも自分が「魔法使い」なら、違うタイプが欠点を補ってくれたら戦いやすい。
そもそも、これまでなんとなく魔法使いでやってきたという人でも、実は勇者や僧侶の方が向いているかもしれません。自分がどんな方向で戦うべきか、どんな人とパーティを組めばいいのかを知る一助になりますよ。
西洋占星術で使う天体は、いわゆる12星座占いで用いる太陽を含めて10個あります。太陽星座だけの結果を見てもある程度当たりはするんですが、本当はあと9個ギアがあるんです。ここをパーソナルに見ていくと、12分の1に分類されるよりは当然納得感が高まります。
「占い」になんとなく抵抗感がある人、正直疑っている人にこそ、まずは入り口に立ってみてほしいですね。
──yujiさんのビジネスパーソン向けのアプローチはそこが興味深いです。今のお話を聞くと「なんか怪しい」と思っている人に対しても、意識的に発信しているんですね。
それはまさに僕が訴えたいところで、「どうせ占いでしょ」「どれくらい使えるの?」と疑っている人は、特に“合理的なビジネスパーソン”にはたくさんいますよね。
自分でも「いかがわしい仕事してます」なんて自虐で言うこともありますが(笑)、正直、世間の認識はそんな感じだと思います。
例えば、以前に六本木ヒルズで多くのビジネスパーソンの前で講演したことがあるんですけど、話の途中で「でもみなさん、実際どうですか?取引先の担当者に『占いが好きです、人生の参考にしてます』って言われたら3歩さがりませんか? ドン引きしませんか?」って聞いたらめちゃくちゃうなずかれました(笑)。
──正直な反応ですね(笑)。
まぁ、予想していた反応ですよね。
その時はこう言いました。「でも、『なんか怪しい』って、実態を知らないのにイメージだけで断罪してますよね。それってもったいなくない?」
最初に言った通り、占星術はビッグデータの積み重ねで、実はサイエンティフィック(科学的)なアプローチなんです。特にネット社会になってからは、プロアマ問わず世界中の臨床データが膨大に残っているので、読み方もどんどん洗練されています。食わず嫌いな人こそ、このデータにアクセスできるおもしろさに触れてほしいですね。
すべてを星で決める必要はもちろんまったくなくて、一度、体感してもらえれば、使えるな、おもしろいじゃん、新しい視点だ、と感じる部分はあると思うんです。うまく取り入れてもらえたらいいなと思っています。
自分自身にも経営者のクライアントは多いですし、大っぴらにはせずとも占星術を参考にしている人も少なくありません。チャレンジの次元が高くなるほど「努力ですべてがどうにかなるわけではない」と感じる局面も増えるんじゃないかと思います。
yujiさんのJobPicks人気連載「星読み係yuji 風の時代のタクト」は、ビジネスパーソンが体温を測って体調管理したり、天気予報を確認したりするような感覚で、星の動きを読んで、日々の働き方やキャリア、人生のちょっとした軌道修正に役立てていただくというコンセプトです。
2024年にかけてのあなたの「運気予報」、ぜひ参考にしてみてください。
(取材・文:山崎春奈、撮影:鈴木愛子、デザイン:高木菜々子、編集:野上英文)