スモールスタートは副業から 起業目指す27歳に助言

スモールスタートは副業から 起業目指す27歳に助言

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BARを訪れたのは、都内の大手人材紹介会社でエージェントをしている27歳のクルミさん(仮名)。

将来起業することを決めているようですが、今後どのようにキャリア形成していくかで悩んでいるようです。

“しごと相談BAR”、本日も開店です。

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目次

午後8時半すぎ。店内のカウンター席に座り、レモン入りのハイボールグラスを傾けるクルミさんの姿がありました。

クルミさんは社会人5年目で現在、都内の人材紹介会社でエージェントとして働いています。


エージェント:採用を検討する企業には求職者を紹介し、求職者には転職サポートをする仕事


クルミ「今、エージェントとして働いているのですが、将来的には独立して起業したいと考えています。ただ、何から始めたらいいのか、どのようにキャリアを形成していけばいいのか分からなくて…」

「チーン」

クルミさんが手元のベルを鳴らしました。

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「私、起業がしたいんです」

BARでアドバイザーとして席に座るのは、元リクルートグループでキャリアコンサルタントを務め、現在は独立して転職相談エージェントや採用・教育コンサルティング事業に従事している高橋麻菜美さんです。キャリアアドバイザーとして年間約400人の相談に応じています。

麻菜美「クルミちゃんはどうして起業したいの? 」

クルミ「大学時代に学生団体に入って、Webメディアのライターをしてました。その時、起業家を取材する機会が多かったんです」

「私が会ってきた起業家の人たちはみんな仕事を楽しんでいました。自分のやっている仕事を誇りにしていて、そんな生き方がかっこいいと思いました」

麻菜美「なるほど。多くの起業家に会ってきたんだ」

クルミ「そうですね。それぞれにストーリーがあって、紆余曲折の人生を歩んでいました。事業がうまくいかずに、どん底な状態から諦めずに這い上がっていく話もたくさん聞きました。そこに感銘を受けたんです」

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「出会いの場」を提供したい

「起業したい」というバックグラウンドには学生時代に多くの起業家たちとの出会いがあったことを語ったクルミさん。自身が構想する事業への思いについても触れました。

麻菜美「クルミちゃんは、起業するとしたらどんな事業をやりたいの? 」

クルミ「日々アイデアがたくさん出てきている中で、注目しているのがマッチングサービスです」

麻菜美「パートナーのマッチング ? 」

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pixelfit / iStock

クルミ「はい。今、出会いに悩みを抱えている同世代の友人がたくさんいるので、何か事業化してみたいという思いが強くなって」

「今、私も含めて周りの友人たちはバリバリ働いている人が多いんです。その一方で、どうしても結婚や出産を意識してしまう年齢でもあります」

「仕事も一生懸命頑張りたいけど、恋愛や出会いを大切にしたいと思っている友人がたくさんいます」

「マッチングアプリの運営でもいいですし、街コンのようにリアルで出会える機会を作るイベント事業でもいい。マッチングを通じて出会いの場を提供したいと考えているんです」

数字を追うよりも0→1を生み出したい

麻菜美「ちなみにエージェントとしては、今どんなことをやっているの? 」

クルミ「基本的に30代以上の求職者の支援がメインです。私は外資系のIT企業担当なので日々接する人たちは外資系人事担当や現場の営業責任者の方が多くて、人脈も広がってきています」

麻菜美「なるほど。人脈も広がってきている中で、それでもやっぱり起業したいなって思う? 」

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クルミ「私がワクワクする瞬間は、新しいことにチャレンジする時です。関心がある分野のサービスや商品を形にしていくようなことをしたいなと思っています」
「今いる会社では、新しい物やサービスを生み出すのではなく、エージェントとして数字を淡々と出していってくださいっていうのが私のミッション。もちろん学ぶ部分はありますが、自分で考えた事業をやりたい思いが強いんです」

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「情熱」から生まれる営業力

起業をしたいというクルミさんに対して、自身も起業経験がある麻菜美さんが大切なポイントを伝授します。

麻菜美「私はクルミちゃんと同じ年齢くらいの頃から『いつか起業したいな』と考え始めて、10年経って実現できた」

「たくさんの経営者の人たちに話を聞く中で、みんな口を揃えて、『やりたいなら、すぐにやりなさい』って言っていた」

「若ければ若いほど活動するためのエネルギーがあるから、すぐに走り出したほうがいいと言われたけど、私はやっぱり準備して起業することが大事だと思っている」

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クルミ「何を準備するんですか? 」

麻菜美「大事な準備として、資金と人脈、情熱が大事だと実感している。資金と人脈は情熱がないと集まらない。情熱に紐づくのは営業力だと感じている」

「やっぱり何かビジネスをやるには、どんなプロダクトをやるのか、どんなサービスを誰に対してやるのか、何の課題を解決するのかが問われることになる」

「解決するためにはシステムを作るのでもいいし、エージェントのようなコンサルティングサービスを作るのでもいい。いずれにしても、その次は必ず売りにいかなければならないフェーズになる」

「素晴らしいデザインが作れます、すごいエンジニアリングができます、コードが書けますとかも大事だけど…」

「最後は自分をアピールしたり、プロダクトを売り込んだりする営業力が必要不可欠になってくる」

「情熱があってからこその営業力なので、そのスキルはつけておくべきだと思う」

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はじめの一歩となる副業

クルミさんは期限を決めて動いたほうがよいのかを尋ねます。

クルミ「いつ起業するか、自分で期限を決めて動いたほうがいいのでしょうか? 」

麻菜美「私が知っている起業家の多くは期限を決めて始めたというよりは、やってみようかなだったり、起業をやらざるを得ない環境になったからやるかみたいな人が多い」

「そのためには、まず自分が考えている事業の環境に飛び込むことが最初の1歩かもしれないね」

「今の会社は副業できる? 」

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クルミ「はい。できます」

麻菜美「スモールスタートとして、たとえばウェディング事業やマッチング事業に関係する副業をしてみることもオススメ」

「マッチングやウェディングはやったことがない領域だと思うから、まずそこに関わってみる。事業のプロダクトやビジネスモデル、顧客の特徴なども関わっていたら見えてくるから。転職はハードルが高いけど、副業なら簡単にスタートできるよね」

クルミ「そうですね」

麻菜美「いつ起業するチャンスがあるか分からないから、ToDoリストを作っておくことも大事。人脈を広げる計画を立てたり、事業を始める上では事業計画が必要になるから、その計画をじっくり考えてみたり。1日1時間と決めて、カフェや自分の落ち着く場所で考える時間を設けてもいいかもね」

クルミ「ありがとうございます。何から始めたらいいか分からなかったので、明日から実践してみようかと思います」

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クルミさん、起業するための決意をより固めたようです。

   ◇

働く若者たちの本音が聞こえてくる「しごと相談BAR」。連載シリーズは隔週で金曜に公開予定。

(取材・文:比嘉太一、撮影:飛塚倫久、デザイン:高木菜々子、編集:筒井智子)

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