Z世代は「転職ネイティブ」新入社員のサイト登録、過去最高

2023年6月14日(水)

新社会人の登録、2011年の30倍に

「doda」は約750万人(2022年12月末現在)が登録している国内大手の​​転職サイト。

運営するパーソルキャリアは、新年度の4月に新社会人がdodaに登録した数の推移を「新卒入社直後のdoda登録動向」として2011年から追っています。6月14日の発表によると、調査を開始した2011年の登録者数を1倍とした場合、2022年に28倍、さらに2023年にはそれを上回る30倍と過去最多に増加しました。

出典:転職サービス「doda」

全体会員数も2011年4月と比べると今年の4月は5倍増加したとしています。

高まる不確実性、働くスタイルが鮮明に

dodaの桜井貴史​​副編集長に14日、オンライン取材したところ、入社直後の登録が増えた背景の1つは、2018年以降に入社したZ世代で「はたらく価値観」の変化があると指摘します。

桜井 貴史(さくらい・たかふみ) doda副編集長。新卒で大手人材会社に入社し、一貫して学生のキャリア教育や就職・転職、企業の採用支援事業に携わる。2016年11月、パーソルキャリアに中途入社。ベネッセi-キャリアに出向、新卒オファーサービス「dodaキャンパス」の立ち上げをけん引し、初代dodaキャンパス編集長に。その後、新卒事業部エグゼクティブマネジャー、大学生向けサービス責任者などを経て、2023年4月にdoda副編集長に就任。Z世代の就職・転職動向やキャリア形成、企業の採用・育成手法に詳しい。

桜井​​「2018年から2019年に経済界のリーダーが唱えた『終身雇用の崩壊』や働き方改革の推進。さらに新型コロナ禍での経済・社会の混乱を経て、Z世代は『はたらく』について社会が一変するのを目のあたりにしてきました」

「不確実性が高まり続ける現代社会で、Z世代は自身が「はたらく」将来に不安を抱くようになりました。

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桜井​​「その結果、転職・副業などを通じて自己成長やスキルアップを図り、自らの市場価値を高めることを強く意識するようになっています」

「さらに最近は国籍や人種、性別、年齢などに関わらず、『個』を尊重する社会の実現が叫ばれています。多くのZ世代も、『多様性』や『自分らしさ』をこれまでの世代以上に重視しており、入社前から『自分がしたい仕事』や『自分のはたらくスタイル』が明確になっているように見受けられ、自らの意志でキャリアを構築していきたいという強い思いが増しています」

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「配属ガチャ」 不安も後押し

dodaは2021年、将来に転職することを意識しながら就職活動をすることが当たり前となった世代を「転職ネイティブ世代」と発表しました。

さらに桜井​​副編集長は、ここのところバズワードとなった新卒の新入社員が配属先を選べない「配属ガチャ」への不安も、転職を検討する意識の高まりに影響しているとも指摘します。

桜井「2023年度に入社した新社会人が就職活動をしていた2022年は、『配属ガチャ』がニュースで取り上げられ、それに不安を募らせる学生たちも見られました。そうした背景で、自らが望む『はたらく』を実現するための1つの手段として、転職を柔軟に考える傾向が一層強くなっています」

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このようにポジティブにもネガティブにも揺れ動くキャリア観の変化を背景に、入社後の早い段階から「はたらく」に関わる様々な情報が得られる、また「はたらく」に精通するキャリアアドバイザーにも相談ができる転職サイトへの登録が、加速していると考えられています。

「転職ネイティブ世代」は、個人の意志でキャリアを選択する「キャリアオーナシップ」を強くもっており、「来年以降も、新社会人の登録者数は増加するでしょう」と桜井さんは見通しました。

(取材・文:比嘉太一、編集:野上英文)