「他己診断」ツール、意外な結果にびっくり 就活準備にいいかも

「他己診断」ツール、意外な結果にびっくり 就活準備にいいかも

    JobPicks編集部の学生インターンが、就職活動のリアルな体験や等身大の思いをつづる「就活生日記」。第1回は「就活の第一歩」とされる自己分析にまつわる最近のエピソードから。大学の友人からLINEで頼まれた「他己分析」を試しにやってみると......。自分のことはわかっているようで、実はそうではない。一人では気づけない新たな一面も発見できたようです。

    目次

    就活生日記 JobPicksインターン

    「なにこれ、面白そう」 友人から回ってきたLINE

    就活を始める人が増えてきた大学3年生の5月のある日。大学の同級生Yちゃんから、LINEでこんなメッセージがきた。

    「他己分析してほしい! いくつか質問に答えるだけやから!」

    続けてこんな内容も送られてきた。

    「私の他己分析のアンケートにご協力をお願いします。以下のURLにアクセスして回答ください。https://〜」

    そんなものがあるとは知らなかったが、「なにこれ、面白そう」と思ってリンクをタップした。友人の性格や人柄について、こんな質問が続いた。

    ■質問

    A:人見知りしない

    B:恥ずかしがり屋だ

    ■選択肢

    • Aに近い

    • どちらかといえばAに近い

    • どちらかといえばBに近い

    • Bに近い


    全部で36問。友人の分を回答した後、「思ってたより質問が多いから、自分のことを詳しく知ることができそう」と思い、私も友人30人に同じように頼んだ。

    就活生日記 JobPicksインターン
    Wiphop Sathawirawong / iStock 

    リンクを送った30人のうち20人は、このサービスを既に知っていた。その後も時々、この「他己分析」の回答のお願いがLINEにきている。LINEという手軽さもあって、就活生の間ではやっているようだ。

    このサイトは、就活生にはおなじみの大手就活サイトが運営する。「他己分析」について「就活準備の第一歩」として、「周囲から見た自分と自己認知を比較できるから、自分では気づけていない強みや特徴がわかる」と説明している。

    友人30人と私の回答。まさかの真逆に

    サイトでは、他己分析と同じ質問に回答する「自己分析」もできる。そして回答を終えると、仕事をする際の特徴など、次の4つのタイプに分類される。

    • 結果重視

    • 調和重視

    • 創造重視

    • 秩序重視

    私が答えた「自己分析」の結果は、合理性を重視して目標に進んでいく「結果重視」タイプだった。

    一方、友人たちが答えた「他己分析」で私は、人と相談しながら物事をこなす「調和重視」。自己分析とは真逆の結果が目立った。私が導いた「結果重視」タイプは、「他己分析」では最も少なかった。

    就活生日記 JobPicksインターン
    自己分析は「結果重視」で他己分析では「調和重視」と真逆の結果だった

    結果について、友人からは「そんなに結果がバラバラな人はいない」「自己分析と他己分析が真逆な人を初めて見た」と言われた。私も、これほど見方が違うのかと驚いた。

    しかし、よくよく考えてみると、私は人によって話し方だけでなく、話し手・聞き手の役割を変えている。このため、自己と他己で分析結果が真逆になったと推測した。そこから考え直し、私は「臨機応変に対応できる」という自分の特徴に気づくことができた。

    見つめ直した「私」と強み

    「他己分析」では4タイプの分類だけでなく、強みや性格について、友人たちからの記述式の回答も得られる。

    就活生日記 JobPicksインターン
    友人が「他己分析」で寄せてくれたコメント

    例えば、私は自分の強みを「継続力」だと思っている。だが、周りの回答は

    「好きなことに向かってとことん突き進んでいる」

    「私が渋っていたことに、速攻で行動できていて驚いた」

    「興味があれば、とりあえずやってみるところ」

    といった「行動力」に関することが多く、意外だった。なぜ「行動力」に関して、自分と他人で受け止め方が違うのだろうか?と、結果をみながら考えた。

    例えば、私は兵庫の大学に通いながら、3月末までの半年間はNewsPicksで学生の立場で記事をピックしてコメントを書く「Student Picker」として、外部コミュニティーに参加した。また5月からは、このJobPicks編集部の企業インターンシップにも加わっている。他にも第二外国語で履修した韓国語が楽しく、自腹で塾に通い始め、この秋からは韓国に留学することにした。

    これまでアクティブな人が多い環境で過ごすことが多かった。そのため友人たちの回答を聞くまで、「行動力」は自覚していなかった。自分の特徴は、環境によってはなかなか気づけない場合もあるのだと知った。

    それが今回の「他己分析」では、自分が気づいていなかった強みや性格を、友人らがエピソードも交えて書いて、新たな自己理解につながった。

    就活生日記 JobPicksインターン
    AzmanL / iStock

    「自分ってどんな人間?」知るきっかけの一つに

    他己分析をする前は、「自分のことは自分が一番知っているし、やる必要はあるのか」と実は思っていた。

    ただ実際に試してみると、自己分析と結果が異なっていて、自分では気づいていなかった発見もあった。

    今回の「他己分析」では、「複数人でいる時の自分の役割」という質問項目もあった。これは第三者の評価がないと、このことに自分一人で気づくのは難しい。こうした他者との関わりによって初めて現れる「自分の側面」を知ることに、他己分析をやる意味はあるだろう。

    就活生日記 JobPicksインターン
    複数の人といる時の役割についてのコメント

    内面的な部分となると、他人に自分を100%見せているわけではないため、自分がやはり一番理解していると思う。

    ただ、他人の意見を聞いて「自分ってどんな人間?」と自問自答し、そして自己理解をさらに深めていく。そんなプロセスには他己分析が一つの手段として役立てられると思った。

    (文:中井舞乃、デザイン:高木菜々子、編集:野上英文)