経験者Yuki Miyake
経験: 10年
『アドラー流 一瞬で心をひらく聴き方』岩井 俊憲
「アドラー流 〇〇」や「アドラー心理学の〇〇」に関係する本は数多く出版されていますので、ご自身の興味関心にあった本を選ばれると良いと思います。
それを前提として、こちらの本をお勧めする一番の理由は、「聴く」ことは教師にとって困難なことのひとつだと感じているからです。
1)世間の抱く教師像は、「知識を伝える」「生徒を導く」といったように、【生徒たちに積極的に働きかける主体】ではないでしょうか。
しかし、知識を得る場所が偏在化した今で...
は、そうした知識を生徒たちがどう活用したいのかを丁寧に把握する必要があります。生徒たちの「道具としての知識」の運用方法を聴くことは、従来の教師像とは大きく違う点だと感じています。 2)生徒の相談に乗る機会も多くあります。 そうした場において、生徒たちは教師に何を求めているのでしょうか? こんなやりとりを耳にしました。 ある生徒が、担任の教師に「相談があります」と職員室に来ました。話し始めて数分は、担任の先生は邪魔を入れず、その生徒の話を聞いていたのですが、途中から、教師からの異様な多さの「うんうん」と言いながらのうなずき、そして「それは〇〇なんやないの?」という意見が出だしました。 これは「聴いている」のでしょうか? 「聴く」ことは、彼らの心理的な要求や不安を丁寧に把握することに繋がります。その基本的な技術を知ることが出来ます。