グラフィックデザイナーの経験談この職業のプロになるには

同業の先輩や同僚にアドバイスされたことで、最も仕事上の教訓になったことは何ですか?

  • 滝見 壮平
    現職者滝見 壮平
    経験: 7年
    合同会社DMM.com

    育ててくれたグラフィックデザイナーとの仕事の記憶

    特定のアドバイスというよりは、自分を育ててくれたグラフィックデザイナーの仕事への姿勢が最も教訓になっています。


    グラフィックデザイナーは専門職ではありますが、エンジニアのような難しい専門職と違って一般職の人からフィードバックを受けやすい専門職です。本来ならばグラフィックデザイナーが専門家として適切に判断をしなくてはいけない部分まで一般職の人に判断をまかせてしまうような場面もよく見られます。製作物の内容や方向性、趣味、趣向、意図が間違っ...

    ていないかを確認するためのフィードバックのはずが、どうすれば完成度が上がるかを一般職の人のフィードバックに頼ってしまって、製作物が迷走していくというのはよくある経験だと思います。 一般職の人が完成度に対してオーケーを出したとしても、ある程度の完成度を超えると専門家でないと正しい評価ができないし、グラフィックデザイナーはその遥か遠くに完成度のゴールラインを設定してなくちゃいけません。育ててくれたグラフィックデザイナーは、トップクラスの専門家として責任を持って案件に対処していて、クライアントに判断を仰がないといけない部分と自分が専門家としてこだわる部分が明確に見えていたので、そのときの強く正しい仕事への姿勢ははっきりと心に残っています。デザイナーとして独り立ちした今でも、「師匠のゴールラインに届いているか」「師匠に見せて恥ずかしくないものになっているか」を判断基準のひとつにしています。


  • 黒田 早希
    現職者黒田 早希
    経験: 16年
    株式会社ニューズピックス

    クレジットの意義

    「デザイナーのクレジットはその仕事に対しての責任を表すもの。だから安易に喜んだりせず心して名前を載せなさい」


    大学時代のデザインの授業での教授の言葉です。

    仕事を始める前の話ですが、卒業して何年経っても未だに覚えています。


    雑誌や書籍などでは大抵クレジットにデザイナーの名前が載っており、広告でも年鑑などにスタッフのクレジットが書いてあります。

    もちろん名前が載ることで実績や新たな仕事につながることもありますし、初めて自分の名前が雑誌...

    に載ったときは親も喜んでくれました。 ただ、作ったものに対する責任について諭してくれた教授の言葉の重みは、実際に仕事をするようになってから特に身に染みるようになりました。