育ててくれたグラフィックデザイナーとの仕事の記憶
特定のアドバイスというよりは、自分を育ててくれたグラフィックデザイナーの仕事への姿勢が最も教訓になっています。
グラフィックデザイナーは専門職ではありますが、エンジニアのような難しい専門職と違って一般職の人からフィードバックを受けやすい専門職です。本来ならばグラフィックデザイナーが専門家として適切に判断をしなくてはいけない部分まで一般職の人に判断をまかせてしまうような場面もよく見られます。製作物の内容や方向性、趣味、趣向、意図が間違っ...
同業の先輩や同僚にアドバイスされたことで、最も仕事上の教訓になったことは何ですか?
特定のアドバイスというよりは、自分を育ててくれたグラフィックデザイナーの仕事への姿勢が最も教訓になっています。
グラフィックデザイナーは専門職ではありますが、エンジニアのような難しい専門職と違って一般職の人からフィードバックを受けやすい専門職です。本来ならばグラフィックデザイナーが専門家として適切に判断をしなくてはいけない部分まで一般職の人に判断をまかせてしまうような場面もよく見られます。製作物の内容や方向性、趣味、趣向、意図が間違っ...
「デザイナーのクレジットはその仕事に対しての責任を表すもの。だから安易に喜んだりせず心して名前を載せなさい」
大学時代のデザインの授業での教授の言葉です。
仕事を始める前の話ですが、卒業して何年経っても未だに覚えています。
雑誌や書籍などでは大抵クレジットにデザイナーの名前が載っており、広告でも年鑑などにスタッフのクレジットが書いてあります。
もちろん名前が載ることで実績や新たな仕事につながることもありますし、初めて自分の名前が雑誌...
100%の力で作り込まないで60%くらいの状態で一回共有してそこから5~10%ずつ上げていき最終的に100%を目指す方がお互い認識のズレがなく無駄なコミュニケーションコストを払わなくて済むので最初から完璧を目指さないで作業を進めた方が結果として良い仕事ができる。自分にとっての完璧が相手にとって完璧かどうかは共有しないとわからないのでこまめにお互いの認識を共有することが大事。
仕事ではなく、東日本大震災の時にボランティアで参加した案件で、かつ自分が言われた言葉ではなく、プロジェクトのクリエイティブディレクターの方がその場にいた他の人に向けて言っていた言葉です。
細部はあやふやですが、「いつ打席が回ってきても大丈夫なように準備しておくことが大事だ」という趣旨だったと記憶しています。
それ以来、出たい試合(=やりたい案件)がいつくるかわからなくても、そこに向けて、素振りやランニングなどできることをやっておこう...
たくさんの先輩に色々なことを教えてもらいました。中でもずっと心に残っているのは「どんな仕事に対しても誠実に向き合うこと」。お酒の席での何気ない会話だったけれど、忘れないようにしたい言葉です。
【よく見て、考える】
ソフトを使えれば誰でもデザイナーになれるといわれます。本当に、なんとなくソフトを触っていると、なんとなくいい感じのデザインが出来上がるので驚きます。そんな中、プロとアマの差は「どこまで見て、考えているか」だと言われました。「クライアントが本当にやりたいことはなんだろう」「この記事をどう伝えたらいいだろう」と考え抜いて、形を思い描くことに90%の力を割く。それを形にするために10%の力でソフトを使うという発想です。
...
グラフィックデザイナーの強みは、まわりのアイデアをビジュアル化できることです。
「考え」を「グラフィック」にするということで、初めて感覚的な判断ができるようになります。ビジネスのプランニングは、ロジックやデータによって検証できますが、感覚的なものは絵にするまでわかりません。
ある企画やサービスを言葉で説明した時点では、まだみんなの頭の中のイメージはバラバラです。「なんとなくこういう感じのものだろう」という曖昧な概念を、デザイナーがビ...