地を這い、小石をひとつひとつ拾いあげるように、分析する
定性分析の途中。1,000を超える発話データを、ひたすら統合していく作業は、「常軌を逸した」レベルの根気のいる作業です。
UXデザインには「グラウンデッド・セオリー・アプローチ」という定性分析の手法があります。これは「地に足のついた科学的な手法」という意味でつけられた名前ですが、裏の意味として「地を這い、小石をひとつひとつ拾いあげるように、データをなめていく」ということだというエピソードがあります。
定性分析は、とにかく気が遠くなる...
この仕事をやっていて、眠れないほどしんどい瞬間はどんな時ですか?
定性分析の途中。1,000を超える発話データを、ひたすら統合していく作業は、「常軌を逸した」レベルの根気のいる作業です。
UXデザインには「グラウンデッド・セオリー・アプローチ」という定性分析の手法があります。これは「地に足のついた科学的な手法」という意味でつけられた名前ですが、裏の意味として「地を這い、小石をひとつひとつ拾いあげるように、データをなめていく」ということだというエピソードがあります。
定性分析は、とにかく気が遠くなる...
昔はソフトウェアが欲しかったら、量販店に行ってCDの入ったパッケージで買ってましたよね。その時代においてソフトウェアの成功は「販売数」で決まっていたので、営業とマーケティングが非常に重要でした。
しかし、今はSaaSの時代が来ています。ソフトウェアを一回買ってもらうことよりも、解約せずに使い続けてもらい、満足度を高く維持することの方が重要になってきています。これにおいては営業やマーケよりもUXの方が効果的です。
欧米では、UXの重要...
クライアントに対して提案を行う時。
そのビジネスを最も長く深く思考しているだろうクライアントの意思決定者の期待値を越えてハートを揺さぶることができるかどうかで、提案の直前はプレッシャーを感じることが多い。
「ユーザが置かれた状況」の理解が足りないせいで、作ったUXがユーザに受け入れてもらえない時に、何度も何度も高速に作り直し、「これでもか!」と当てていくのですが、それでも全然当たらないと、根本を理解できていないことに等しいため、かなり戻ってもう一度「理解すべき根源」を探さないといけない時、めちゃくちゃ苦しいです。
リリースしたサービスやプロダクトで、ユーザーが感じていることと体験設計した内容にギャップがあり、多くの不満がうまれている時。また、リリースした新機能が使われない時は、やっぱりしんどい。
しかし、事業範囲の専門知識を学び、体験設計しても必ずしもサービスや新機能が使われるとは限りません。うまくいかないのは正直に悔しいですが、課題を見つけ解決してブラッシュアップしていくのが醍醐味であり、苦労しています。
自身の「思考の檻」から抜け出せない時はしんどい気持ちになります。
私たちはそれぞれに「思考の檻」を持っていて、過去の成功体験・思い込み・失敗したくないというプライドなどによって、適切な判断や行為をとれないことがあります。UXデザインにおいても、生み出す解決策が創造的で斬新であればあるほど、不確実性が増し「間違っているのではないか?」「誰にも理解されないのではないか?」「責任が取れるのか?」という「思考の檻」が邪魔をしてきます。誰のせい...
眠れない、というほどではないですが、顧客からの耳の痛くなるような話から逃げないこと、自分の中で「微妙かもしれない」という違和感をごまかさないことなどは、苦しい時あります。
ただそれが苦しければ苦しいほど、(「面白み」の欄で書いたように)ユーザが喜んでくれた瞬間がむちゃくちゃ嬉しく感じますね。
面白みと近いですが、ユーザーの思考に触れた上で解像度高く課題や価値の共有ができなかったり、目標をバチッと決められないときが一番プレッシャーでしんどい瞬間です。たいていユーザーの思考にしっかり触れられてないという場合や目的に近づくためのプロセスがうまく言ってないことが多いですが、最近はプロダクトや組織の規模や制約が要因になることもあるので必死で勉強をしながら勧めています。しんどいですがしんどい時期がないと個人の成長もチームの結束もしないの...
デザインプロセスの初期段階は、リサーチによって情報をインプットし、そこからコンセプトの鍵となる情報を見つけ出す、「探索」の時間に当たりますが、僕の場合は、鮮やかにコンセプトやインサイトが見えてくるタイプではないので、常にそのことばかり深く考えるため、眠りが浅くなったり、産みの苦しみを感じることはあります。
ただ、それを辛いと思ったことはありません。
正直、この仕事でしんどいという気持ちを抱くことはあまりないのですが笑、強いてあげるとすれば、私は担当しているサービスや事業に深くコミットしてのめり込むタイプなため、価値検証の際などに仮説と検証結果にかなりギャップがあり、1からユーザーの求めるものとソリューションの整合を考え直すときはかなり悩み抜きます。
ユーザーの本質課題にたどり着けていないのか、体験価値とビジネス価値が整合していないのかなど、体験のデザインだけではどうにもない範囲から...
施策がユーザーに刺さらないことが続いた時。
どれだけユーザーの声を元にロジカルに施策を組んでも、それが目標とする結果に繋がらないことも多くある。そうした時に、絞り切ったアイデアから更にアイデアを創造しなければいけない。その時はかなりしんどいが、そこで出たアイデアは大体筋が良く、辛い分、それを突破する楽しさも感じられる。
サービス全体の体験を向上していくためにはあるプロダクトだけを改善するだけではなく、あらゆるタッチポイントを磨く必要があると思います。それが時には組織であったり、オペレーションであったりもしますが、この領域の改善に手を入れる際にはそれなりのパワーがいる気がしています。自分たちの判断がその事業やユーザーを含む関係者にとって大きなインパクトがあると考えるとプレッシャーを感じます。
問題が複雑に絡み合ったり、制約も多い状況で解を探す時です。
自分でしんどい時が思いつかなかったので友人に聞いたんですが、字面で既にしんどそうですね笑
プロダクトに起きているAという問題が実は組織構成にあったとか、Bという問題が実は業界構造にあったとか、問題の要因を辿って辿って辿っていくと思いも寄らない問題に辿り着くことがあります。
また、問題は単純でも様々な制約で簡単に解決ができない時もあります。
そんな状況を突破したり、本当に解決...
ユーザーの意見を聞いたりする中で見えてくるユーザーが望むことと、つくり手である自分たちがやりたいこと、この2つの折り合いをつけるのが難しいところです。自分たちが生み出したい世界観は、必ずしもユーザーにすぐ受け入れられるとも限りませんが、ユーザーの要望を叶えていくことだけが本当にユーザーにとってよりよい体験になるとも限りません。この2つのバランスを調整しながらの試行錯誤の繰り返しこそ、デザインの醍醐味であり、やりがいだと思います。
クライアント / 社内問わずメンバー間の信頼がないとき。物事や事象を良くするためではなく誰かを責めるためのコミュニケーションが出てきてしまうと、目的が相手を攻略することに変わってしまう。このような誰も幸せにならない不幸な状況が続くと心身ともに辛くなる。
クライアントの課題を解決できず、前に進めていないと感じる瞬間。
私はデザインパートナーとしてクライアントワークを行う立場にいるが、その中でもクライアントが抱えている課題を解決し、プロジェクトを推進することが求められている中で、どうしても良質なインサイトやコンセプト、アイデア等を出せずにプロジェクトが円滑に進めない瞬間がなによりも辛い。
寝る間も惜しんで考えるも、深い霧の中に迷い込んでいるような感覚になる。
そういう時こそ、チームの...