ゲームクリエイターの経験談未経験者へのおすすめ本

転職や就活で、この職業を目指す未経験の方におすすめの書籍は何ですか?理由と合わせて教えてください。

  • 平山 尚
    現職者平山 尚
    経験: 8年
    株式会社カヤック

    『トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるか』ケビン・メイニー

    自分が作ろうとしているものが、誰に何の満足を与えるものなのか?

    という問いはゲームに限らず必要なものだろうと思う。


    大抵のゲームは、核になる小さな遊びから出発して

    開発することと思うが、

    なにせそれだけでは不安だし、

    それを面白がってくれる人以外にも売りたいという欲が出てくるので、

    どうしても要素をごてごてと加えたくなる。

    その結果、何が大事だったのかを見失いがちだ。


    そういう時には、とりあえず「上質か手軽か」

    と問うてみると、出発...

    点として便利だと思う。 ゲームで言えば、選ばれたコアゲーマーに最高の体験を届けたいのか、 もっと幅広い人達に気軽な楽しみを届けたいのかを、 まず決めろ、ということだ。 この本には「中途半端にいい所取りをしようとすると失敗する」 という例がたくさん出てきて、参考になる。 「一人のお客さんからいくら頂く製品なのか」 ということによって作る物も作り方も変わってくるわけで、 大変便利な視点だと感じる。


  • 押山 萌香
    現職者押山 萌香
    経験: 17年
    株式会社バンダイナムコスタジオ

    『ゲームエンジンの入門書の類?』ー

    真面目なビジネス書とか思想書とか、有名ゲームデザイナーの書いた本とかはもう推薦されているでしょうから……。


    それ以外でお勧めするとしたら、UEでもUnityでも手に入りやすいゲームエンジンの入門書でしょうか。

    それを参考に小さなゲームを一つ作ってみてください。


    マップのオブジェクトのサイズや構図は、宝箱の位置は、敵のパラメーターは、自機のパラメーターは成長曲線は、動きはスピードは、ランダム値は、演出は、見た目は、テキストは、サウンド...

    は……どうしたら「面白いゲーム」になるのか、を考える近道になると思います。 とはいえ、そんなもの覚えてゲームを作っている暇なんて! という方がほとんどだと思いますので、そういう場合は代わりに好きなゲームの攻略本を眺めてみるのもありかなと思います。 いまどき、あまり紙の攻略本ってないと思いますが…… マップや敵一覧、パラメーター一覧、などなど。自分が「好き!」「面白い!」と思った部分はどういう要素が組み合わさって出来上がっているのか、ゲーム中の各要素はどういう意図で存在しているのか、考えるための資料になるかと思います。 市場分析や思考術、マネジメント手法の本も、もちろんなにを読んだって損にはなりませんが! (市場分析なんて毎回頭を悩ませていますし、今まさにマネジメント勉強中です……) ただ、そういったものは社会人としてのベースの知識であって、ゲームを作るのであればどうしたら面白いゲームになるのか、を考え続けるのが一番良いんじゃないかと思います。