海の世界に飛び込んで
現在、フィッシャーマン・ジャパンという漁師団体でアートディレクターとして働いています。水産業をカッコよくて、稼げて、革新的な「新3K」にする、という目標を掲げ、日々さまざまなプロジェクトに取り組んでいます。
その一方で私は潜水士として海洋調査も行っています。
潜水士と聞いて、海難救助をする「海猿」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。潜水士は他にも港湾での土木作業、沈没船の引揚げ、水産物の収穫など多くの場面で活躍する仕事。結構...
メジャーな仕事なんです。 私自身は海の近いところで育ったわけでもなく、むしろ水が苦手で泳げず、海水浴すら行ったことがないほど海から遠い生活をしていました。 しかしフィッシャーマン・ジャパンとして漁業の現場に通ううちに、なんとなく海を身近に感じ、そこで働く人たちの姿に惚れ込むようになります。 そして数年前、海洋調査を専門とするダイバーと出会い、私も潜水やってみたい!と潜水訓練をうけることとなりました。あれよあれよといううちに水に慣れ、実際に海に潜る訓練を経て、筆記試験にも合格し潜水士の資格を取得しました。 現在、石巻の漁協さん、海洋調査ダイバー、地元の漁師さんたちと「ISOP(Ishinomaki Save the Ocean Project)」を立ち上げ、海で問題になっている磯焼けなど海洋環境に対して、調査や試験を行っています。 そんな「副業」ですが、自ら海に入り、海の中の様子をみることはダイレクトに自分の本職ーアートディレクターーに役に立っています。 近年海洋環境の変化は著しく、去年まで水揚げされていた魚がぱたっと市場から姿を消す、なんてこともしばしば。そんな海の変化は中に潜れば一目瞭然。現場の方のお話に対して自分の理解度がぐんと上がります。 さらに海洋調査を通して新たなプロジェクトも発足。大学と連携し新たな養殖の研究が進んでいます。 室内での仕事がおおいデザイナーですが、海に潜るというもう一本の軸を手に入れて、精神的にも安定することもあります。 思い切って違うスキルを身につけたら、さらに世界はひろがって面白くなったな、と思います。