『コスモポリタンズ』サマセット・モーム
編集者、記者は正解のない問に挑む仕事です。したがって、善と悪、清と濁などを自分の価値観で決めつけず、多面的な視点から考察する能力が問われます。
そこへいくと本書は、多面的な視野を養うのに恰好の一冊と言えます。
故国を去っては異郷に住む”コスモポリタンズ”の日常に潜む悲哀、喜びなどを介して、人間という摩訶不思議なものに対する考察が進みます。
中でも、翻訳書は苦手…という日本人でも違和感なく読める短編があります。
モームは1920年...
転職や就活で、この職業を目指す未経験の方におすすめの書籍は何ですか?理由と合わせて教えてください。
編集者、記者は正解のない問に挑む仕事です。したがって、善と悪、清と濁などを自分の価値観で決めつけず、多面的な視点から考察する能力が問われます。
そこへいくと本書は、多面的な視野を養うのに恰好の一冊と言えます。
故国を去っては異郷に住む”コスモポリタンズ”の日常に潜む悲哀、喜びなどを介して、人間という摩訶不思議なものに対する考察が進みます。
中でも、翻訳書は苦手…という日本人でも違和感なく読める短編があります。
モームは1920年...
記者や編集者という職業は、「どうやったらいい記者編集者になれるか」というノウハウ本なんかよりも、最高のジャーナリスト、ノンフィクション作家が書いた本を読むほうが何十倍も意味があると思います。
共同通信出身の作家である辺見庸さんによる、海外ルポルタージュの傑作です。政治家など権力者から、極貧のスラム街に住む人々まで、彼らと共に「食べる」ことを通して、異なる世界で生きる人々のストーリーを鮮やかに描いた1冊です。
メディアでは映像コンテンツの盛り上がっていますが、この1冊を読むことで、文字という「道具」がどれだけ生々しいイメージを脳内に呼び起こさせるのか、文字の底力を知ることができます。
素晴らしい本は星の数ほどありますが、言...
誰にもお勧めする「プロフェッショナルの条件」ピーター・ドラッカー。
このほかにも、ドラッカー氏による書籍はありますが、兎にも角にも私が言いたいこととして、本人が書き、ドラッカーの分身とまで言われた上田惇夫さんが翻訳した書籍を必ず読んでください。
なぜなら、ドラッカー氏の書籍は、テーマが幅広く、本質を語っているため、読み手によって解釈が違います。それは解釈の多様性でもあり、解釈の深さの違いでもあります。
中途半端な人が解釈したドラッカー解...
経済誌記者時代の先輩の著作。メディアとは何か、報道とは何かを考えるきっかけになる。
職種は様々でも、報道機関やメディア企業に勤める人には、その責任や使命を意識する上でぜひ読んだおいておくべき。
まだ雑誌草創期の話なので時代としては古いのですが、編集者になりたいのなら一読しておくとよいでしょう。私も編集者として駆け出しの時に読み、編集者として必要な資質はこういうことなんだなということを実感しました。通常、企業で偉い立場になった人の自伝というのは、なんだか鼻持ちならないものも多いのですが、これは違います。どんなにマニアックでも面白いと思えることをとことん突き詰める、少年のような心を持った筆者の姿勢に、編集者としての私は非常に共感し...
私が新聞社に入社する前年の2000年春に出版された本です。理系出身の新聞記者が、20世紀後半に起きた「科学事件」を丁寧に取り上げ、客観的事実を整理しながら検証しています。
科学事件とは、新しい科学技術が社会に導入されたときに大きな摩擦が生じたりその是非をめぐって議論を巻き起こしたりした事件のことです。
本書で取り上げられている具体的なテーマは「脳死・臓器移植」「薬害エイズ」「体外受精」「原子力」「水俣病」「大地震(阪神淡路大震災)」...
ベテランジャーナリストに勧められた覚えがあります。入門書はどれでもいいとは思いますが、基本中の基本のことが書いてあるかなと思います。
『嫌われる勇気』などの著書で知られる、ライター界のトップランナー、古賀史健さんの著書。若手編集者時代には自身の成長のため、シニアになってからは若手に教えるために、数々のライティング本・編集本を読みましたが、過不足なく端的に「ライティングとは何か」がまとまっている点で、この本がベストだと思います。編集者の仕事は、自身がライティングができなくても務まることは務まりますが、「書ける編集者」は仕事の幅が一気に広がります。その点では、若手はぜひ押...
編集についての本ではないが、本書に書いてある「創って、作って、売る」のサイクルを回すのが商売の基本という一文は、編集者こそ学ぶべき話だと感じている。
編集者の仕事では、企画を考え、記事や図版を作成するなど、「作る」ことがベースになるのは間違いない。しかし、クラフトマンとしての旬はそんなに長くない。かつ、これだけメディアのあり方が変わっている中、生涯、価値あるものを「作る人」でい続けるのは、一部の天才的な編集者だけだと思う。
そのため...
「知的生産の技術」に関する本は梅棹忠夫さんの本をはじめ、ごまんと溢れています。書き方などアウトプットに特化したものから、本の読み方などインプットに特化したものまで様々あり、たいていのものは、新人の頃に読み尽くしたと思います。
そうした中で、テーマの選び方から資料収集の方法、さらには取材先へのアポの入れ方からその後の御礼の仕方、原稿を作成するときに「書き出し」をどうすべきか、といった細かな注意点までが網羅された、珍しい一冊。かゆいところ...
『 人生100年時代の ブランドジャーナリズム 』
コンテクスト最適化(コンテンツマーケティング)技術でトラフィックを集める『生涯学習ブログ』および、地方創生キュレーションFBページ『あいらぶ岡山』は、オウンドメディアのロールモデルを担うシェアリングエコノミー社会の試作品。エクセレントカンパニーを目指す貴社に必須の “ ブランドジャーナリズム ” に関するご相談は、ContactUs よりお願いいたします。
学び直し、リカレント...
執筆や取材準備、インタビューのノウハウをまとめた書籍は数多くあるが、記事の性質や長さなどによってケースバイケースであまり実戦で使えないことが多い。そのため、雑誌・Webの長めの記事を執筆する書き手にとってより参考になるのは腕の良いノンフィクションライターが執筆した作品そのもののように思う。「コリアン 世界の旅」は、在日韓国人という1つのテーマながら、短編で構成されている。1つの短編を書くためにどれだけ膨大な取材が必要か、本文を通して感じ...