『 Computer age statistical inference: Algorithms, evidence, and data science. 』Efron, B. and Hastie, T.
他の方はビジネス寄りの本を紹介されているようなので、理論寄りの本を紹介します。最初の本というにはハードルが高いものを選んでいます。正直に告白すれば、私も全てを精読したと言える状態ではありません。
しかし、本格的に志すなら、このレベル以上の書籍・論文とも付き合ってほしいと自戒も込めて書きます。そのような中上級者への入門として捉えていただければと思います。
洋書を挙げましたが、『大規模計算時代の統計推論―原理と発展―』というタイトルで翻訳...
されています。「本書は,統計学が過去60年間にどのように進化してきたか検証し,広範囲に俯瞰する」とは共立出版の翻訳書 HP からの引用ですが、これが驚くべきことに大言壮語になっていません。 最初に統計的データ処理を「アルゴリズム(具体的にどんな計算を行っているか)」と「推論(なぜその計算を行うのか)」の2つの側面に分けて考えるということが宣言されます。 その後に頻度主義とベイズ主義の比較などが行われ、個別のトピックに移り、ニューラルネットワークやブースティングなど現在よく用いられるようになった手法も取り上げられています。 データサイエンスに従事すれば学ぶことは尽きないですが、本書を通じて統計学において過去に何が行われていたかを知ることは、新たな知識と格闘する際の哲学的な支柱となると信じます。