CTOはエンジニアの代表ではない
「CTOとは、エンジニアの代表ではなく自らのビジョンに基づいて意志決定する役割である」ということです(同業の先輩からの教えではありませんが)。
わたくしがCTOになってしばらくした後、経営メンバーに対して提案を行う機会がありました。エンジニアたちの声を集め意見を取りまとめた上で、ある施策の提案を行ったのです。その内容を聴いて社長がひとこといいました。「そのことについてのあなたのビジョンはなんなのですか?」と。
つまり、CTOというの...
は社員の意見を代表してものをいう立場ではなく、自らのビジョンをもって語るべきだと諭されたわけです。 CTOに限らず、CXOと称される人々の最も重要な役割は、ビジョンを描き意志決定をすることにあります。しかし一方では、それらの仕事には「こうやれば確実」という方法があるわけはありません。つまり、どうしても不確実性が残る中でことを行う必要があります。 そうすると、ついつい何か確実なことにすがりたい気持ちが出てきます。たとえば社員がこういっていたからとか、他社がこうしているからとか。もちろん、ひとの意見を聴くことは大事ですが、そのことに自分の意志決定の責任を転嫁することがあってはなりません。そんな教訓を得たエピソードでした。