私は現在三井物産連結グループの企業価値向上を目的として、国内外に約500社以上ある事業投資先の経営改善支援を行う業務に携わっています。
常に意識している教訓の一つはこの部署の上司からのアドバイスで、「極端な話、三井物産グループの価値向上につながることであれば何をやってもいいので、「こうあるべき」ということに拘るな」ということ。
逆にいえば、常に同じことを繰り返していればいいわけではなく、主な業務とされている関係会社とのプロジェクトだけ...
に終始すればいいわけでもなく、常に「今何をすべきか」「自分のリソースを何にどう割くべきか」と自問自答しながら、今の枠組みにとらわれずに前進していくことが重要だと思っています。
さまざまな関係会社や営業部門の方々と働いているため、グループ全体が共通して抱える課題を見出すこともあります。この課題と解決策を三井物産本体の経営に提言し、実行していくことも我々のミッションの一つであり、常にグループ経営・株主の視点をもっておかねばならないと感じています。
もう一つは、アドバイスとは少し違いますが、前職時代のクライアントから「コンサルタントではなくディスカッションパートナーだと思っている」と言っていただけたことが、自分の中で働く上での大きな指針になっています。
前職でも現職でも、外部の人間としてある程度のデータを集め、それらしい答えを提示することは、もしかしたら簡単なことかもしれません。けれど本質的には、プロジェクトでご一緒している会社とその社員の方が、心の底から納得して、その先自走できるような状態を作ることが何よりも大切だと思います。
勿論、こちらも誠心誠意その実現に向き合います。徹底的に議論を重ね、考え抜いた先にある、ロジックだけでは辿り着けない納得感のある結論を求めて、とことん粘り強く話し合う。アドバイザーと現場という境界線を超え、一緒に事業を進めるパートナーとして認めてもらい、協力してその先の成長を実現させる。今の仕事でも、この姿勢を忘れずにいたいと思っています。