担当業務は、日本で一番詳しい担当であれ
国家公務員であれば、おそらく誰でも言われたことのあるアドバイスだと思いますが、この意味を自覚すると、とても重いアドバイスです。国家公務員の人事ローテーションは1~3年で、人事異動の度に担当業務が変わりますが、着任したその日から担当者としての判断が必要になります。もちろん、前任者からの引継ぎや周りのサポートも得られますが、進行中の政策なども担当者として推進していく必要があるので、人一倍の勉強が必要になります。
異動先によっては、かなりの...
量の勉強を必要とする場合もありますが、日頃からアンテナを高く広く張り巡らせていれば、行政官としての経験知と組み合わせて、重点的に勉強するべきポイントを見出して一定のレベルに到達できます。さらに、担当業務を進めるなかでも、関係者との検討や意見交換の機会があるので、その都度、インプットとアウトプットを高速で回転させていきます。政策を担っている自覚があるからこそ、勉強や業務にも身が入り、担当業務に詳しくなっていくのだと感じています。 頻繁な人事異動で、短期の人事異動で専門性が育てられないとの声も聴かれますが、複数領域に触れることで物事を横断的・統合的に見られるメリットがあります。また、国家公務員の場合は省庁別採用なので、大まかな活躍分野は定めやすいというメリットもあります。その道を深く極める専門家になることは難しいかもしれませんが(中にはそのようなキャリアパスを目指す方もいます)、様々な分野を経験するからこそ掛け算で得られるレアなキャリアパスを築くことも可能になります。 キャリア形成に必要だと考えるのであれば、組織にとっての必要性と妥当性を添えて異動希望で訴えていくこともできますし、本業に影響にない範囲であればプライベートで行動することもできます(もちろん公私の使い分けは必要です)。自分の意志と行動次第でどのような可能性も考えられます。