「現場に近いヤツの言葉を信じる。」
ビジネスでは、現場に近い人が一番情報を持っていますが、法務を含むコーポレート部門に伝わってくる過程で言語化できない感覚、定性情報や人に関する情報は削ぎ落されます。その結果、魅力的な案件にもかかわらずリスク面だけが目立ち、逆にどうしようもない案件がローリスクハイリターンの優良案件に見えたりするものです(出張等で現場に行くと、そのような構造を体感することができます)。
法務として仕事をしていると、「安全に見える案件」は進め、「リスクがあるよ...
うに見える案件」は止めるという誘惑に駆られますが、そのような衝動と会社の利益は必ずしも一致しないことがあることを理解する必要があります。現場の言葉は、ひっかかるところがあってもまずは呑み込む自制心が、良い法務パーソンに必要な要素の一つではないかと思います。 なお、頭書は、一緒に仕事をしていた(法務ではなく)リスク管理チームの先輩に授かった言葉です。